ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「おまえ、そんなに俺に触れたかったのか?」
良からぬ微笑みを浮かべて、そんなことを言い出すから。
「ちちちち.違うっ!」
大声で反対すると、たった少し距離が開いた。
「俺的には、失してくれたほうが都合が良かったが、仕方ないな」
「なんのこと?」
失すって?
都合が良かったって?
「約束通り会ってやったんだ。
もう必要ないだろ」
そう言う仁の手から流れ落ちた何かが、あたしの真上でキラキラと揺れる。
「あ、」
思わず零れた声。
光を反射して輝く指輪が2つ。
チェーンに通ったまま、重なり合って吊されてる。
まさか、コレを外すためだけに、あたしは押し倒されたんじゃ………。
「ま、そもそも、おまえの指には合わないしな」
チェーンからスルスルと片方の指輪を抜くと、仁は自分の指にそれをはめる。
右手の中指。
………翼と同じ。