ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「おまえ、そんなに俺に触れたかったのか?」


良からぬ微笑みを浮かべて、そんなことを言い出すから。


「ちちちち.違うっ!」


大声で反対すると、たった少し距離が開いた。




「俺的には、失してくれたほうが都合が良かったが、仕方ないな」

「なんのこと?」


失すって?

都合が良かったって?



「約束通り会ってやったんだ。
もう必要ないだろ」


そう言う仁の手から流れ落ちた何かが、あたしの真上でキラキラと揺れる。



「あ、」

思わず零れた声。


光を反射して輝く指輪が2つ。

チェーンに通ったまま、重なり合って吊されてる。



まさか、コレを外すためだけに、あたしは押し倒されたんじゃ………。




「ま、そもそも、おまえの指には合わないしな」

チェーンからスルスルと片方の指輪を抜くと、仁は自分の指にそれをはめる。


右手の中指。

………翼と同じ。






< 444 / 541 >

この作品をシェア

pagetop