Memories - 年の差恋愛 -
社内回覧が回ってきたらしく、○×で出欠を取っていた。

入社からもうすぐ1ヶ月が経とうとする週末。

会社から近い居酒屋で、私たちの歓迎会は開かれた。

どちらかというとおじさん率の高い会社。

私の部署も、一番近い年齢の人で34歳だった。
彼が、唯一の独身。

「河本綾でーす!実家が遠いので、短大の時から一人暮らししてまーす!」

「谷本里奈です!えーっと、甘いものが大好きです!」

「山口佐智子です。お酒飲めないので、オレンジジュースでーす!」

順に自己紹介をすませ、乾杯がスタート合図。

近くに席を取っていた私たちは、あっと言う間にバラバラに引き離され、皆が順番に話しかけてくれた。

違う部署の人などは、初めましての人も多くて。

とにかく緊張しっぱなしの私は、顔と名前を覚えるので必死だった。

「さっちゃん、彼氏は?」

入社初日から私のことをさっちゃんと呼ぶ係長。

年齢を聞いたら、父親と同じ46歳だった。

うちのお父さんの方が若く見える。。。

< 2 / 149 >

この作品をシェア

pagetop