Memories - 年の差恋愛 -
「佐智子はまだまだ世間知らずでね。手がかかると思うけどよろしく頼むよ」

「いえ、こちらこそよろしくお願いいたします」

この短時間でどんな話をしたのか、私がお茶を持っていく頃には意気投合していた二人。

「いい人じゃないか」

「お父さん…」

私の顔を見て笑うお父さんに、涙が浮かんでくる。

自分が好きになった人を親が認めてくれるって、こんなに素敵なことなんだ。

「あの…実は、もうひとつお話ししなければならないことがあります」

今までの楽しそうな雰囲気とは違って、真剣な顔をしてお父さんを見ている飛田さん。

私まで緊張してしまい、そばで立ち尽くすしかできなかった。

「実は、私には結婚歴があります」

まっすぐにお父さんを見ながら話し始めた飛田さんは、なんだかすごくかっこよくて。

仕事をしている時もかっこいいと思うけど、また違うその表情にどきどきした。

「子供はいませんが、1年後に離婚して今は連絡も取っていません」

「そうか」

ゆっくりとお茶をすするお父さんの横で、お母さんも湯呑に手を伸ばしていた。
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