僕の女王様
やばい。


「千里…俺は大丈夫だから」


そんな俺の声は、千里には届かない。


「祐也さん、あとお願いします」


青ざめている千里を抱きかかえて生徒会室を出る。


事情を知っている祐也は2つ返事で了承する。


この役だけは譲れない。


保健室のベッドに千里を寝かせると、鏡を見る。


予想よりも血が出ていたもののもう止まっている。


ハンカチを水で濡らし、血を拭えば軽くしみたものの傷跡は目立たない。


気を失っている千里の寝顔はあまりいいものとは言えない。


「悪夢じゃないといいけど」


髪を撫で布団を直す。
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