僕の女王様
「まだ治ってなかったんだな」


祐也は本日分の仕事を終え、保健室に顔を出す。


「トラウマなんてそう簡単に消えるものじゃないだろ」


「お前は大丈夫なのか?」


同じ事故現場に居合わせたのだ、同じトラウマを持っていてもおかしくない。


「俺は気を失ってたから」


あの日、千里の心に大きな傷が残った。


外傷的な傷を作った俺は半年もすれば、以前のように戻ったのに、心に傷を作ってしまった千里は周期的に発作を起こす。
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