続きの俺様!何様?執事サマ!?
―――ポツリ
「ん?」
私の鼻先に、なにかが降ってきた。
「………あ、雨降ってきましたね」
すると、ハエバルがそう言ったのを聞いたかのように雨は強くなって。
最終的に、どしゃ降り。
「…………どうしましょうか」
好都合だとばかりにハエバルが聞いてくる。
学園内に寮はふたつあって、ひとつは私が住んでいる寮、もうひとつは、独り身の執事科の人たちが住む小さな寮だ。
もちろんハエバルの帰るべき場所はそこなのだが、その寮はここから反対方向にあり、遠い。
だが反対に、私の住む寮はもう目前だ。
ここで追い返すのは気が引ける。
ため息をついた。
「…………タオルぐらい貸すから」
その言葉にハエバルは勝ち誇ったように笑って「わん♪」と答えた。