魔神戦記!
 
………場所は変わって、今度は俺達。


そうそう、ディノウンも人間の姿を使うようになった。
人間体の時の名はアーサー。
イギリスの、聖剣伝説に登場する主人公の名前を借りた。


俺とアーサーは曇り空の下、歩きながら話していた。

「狼牙、前より更に魔神としての力を取り戻していますね。
しかし人間の心を持っている限り、完全な覚醒は不可能かも知れません」

「つまり…
それが妨げになっているから、俺は苦戦していると?」

アーサーは俺の問い掛けに、伏し目気味に答える。

「えぇ、恐らくは…」


俺が人の心を捨てなければ、魔神の力を完全に引き出せないというのか。

凶と戦い続けるには、魔神の力が必要不可欠だ。

だが白銀狼牙としての俺は?
どうなる?


さゆりや学校の皆との生活も捨てるのか。

そして俺は、凶との戦いの後どうなる?
…神界に帰るのか?

元の、人間の生活には戻れないのか…?


「それを決めるのは貴方自身よ、ウノサス」


「え…?」

気がつくと、俺の目の前に一人の少女が居た。
その子の声だった。


誰だ?
俺の心を読んだ……のか?

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