ハルのためなら【短編】
「いってぇ」

殴られた頬をさすりながら相手を睨みつけた

相手はもちろん河本だった

河本はまわりに6人のガタイのいい連中を引き連れていた

さっきのひ弱そうな弟子とは大違いだ

「人の女に手だしといていい気なもんだな」

「はぁ」

あほらしくてため息がでる

「何度もいっているが、俺はお前の女なんかに手なんかだしてねぇよ」

そういいながら立ち上がると俺より頭ひとつ小さい河本を見下ろた

「なにいってんだ!美樹はお前にちょっかい出されて迷惑していたっていってんだよ!」

見下ろされてるのがやっぱり気にいらないのか

真っ赤なトマトみたいな顔をして唾を飛ばしながら怒鳴ってきた


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