至適彼氏

『やる』って…、もしかして、もしかしなくてもあのコトだよね？


葛城君がジリジリと、あたしのほうに寄ってくる。
絶対そうだ。葛城君ってば…、やる気満々だ。



「あっ、あのね、葛城君。その、まだ早いと思うんだ…。ほらっ、あたしたちの関係ってはっきりしてないし…。」


もじもじと下を向きながらあたしは言う。

だって女の子だったら、こんなトコロ（図書館）でしたくないでしょ？
ましてや、初めてなんだし。
初めてだったら、こうちゃんとしたトコロでね…。


「オマエ、何言ってんだ？」

にゅっと葛城君が、あたしの顔を覗き込んできた。


「うわっ！！だっ、だから…やるって…。」

「勉強に決まってんだろ？」

「べ、勉…強…？」

「教えるのは俺様だから問題ないけど、理解するオマエには問題ありすぎだろ？理解するのに、何時間あっても足りないだろ？」


あー、やるって勉強ですかぁ。
アハハ…、そりゃそうだよねぇ。