~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅲ 竜と闇黒の王
 その左眼は、眼球がすべて、この世のどんな玄(くろ)よりも玄く、この世のどんな黒よりも黒い。

 瞳はなく、中心に猫の目のような縦に細長く、赤い瞳孔が光っている。

 “眼”そのものが、闇と化して、沈んでいた。

 “どういうことか、説明してほしいな……、帝ぉ”と麟紅が帝の竜に問うた。

 その闇、あらゆる暗黒を覆い尽くし、あらゆる闇黒をかき消し尽くす。

 すなわち、漆黒の闇、常闇(とこやみ)。
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