暗黒の時代(とき)
まだ私が「部活が嫌い」と言えたころ、部活中の態度が悪くて1年生全員が怒られたことがある。その時S先生に言われた言葉は今でも忘れられない。
S先生は私たちにこう言った。「大人になったら嫌でもやらなきゃいれないことがあるんだから!!」
その時も何かひっかかりつつも、一応反省はした。だが、今になって思うと、S先生は当時25~27歳くらいだったはずであり、偉そうに「大人」と言える程だったのか疑問である。加えて、大人が「嫌でもやらなきゃいれないこと」は自分で選んだ道の上で出会うことで、それは自身の責任の上でのことであり、どうしても嫌なら逃げ道もある。学区の都合で入学して無理やりバレー部に入れられた子供に対して教師が言う言葉としては適切だとは思えない。
この一件が「部活が嫌」と言いづらくなるきっかけだったのかもしれないが、今となっては当時のことを思い出せない。それは私が嫌なことは思い出すと嫌な気持ちになるから、出来るだけ思い出さないようにしているからだろうか…。
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