暗黒の時代(とき)
部活の他に、私の気を滅入らせることがあった。それは定期テストだ。

クラスメイトはたった13人。それに1位から13位まで順位がつくのだ。しかも当時は、成績は相対評価だった。つまり、5段階評価で1人が5をとったら、他の人はどんなに成績が良くても5はとれなかったのだ。

中学校のクラスメイトは、ほぼ小学校からの持ち上がりだった。そして私はクラスメイトの中では理解力や読解力があり、はっきり言えば小学校の時から「頭がいい」と言われていたのだ。
いわば当然のように、私はテストの成績が良かった。小学校までは成績や順位は露骨に表れず、特に何もなかったが、中学校に入って、成績の優劣がはっきり見えるようになると、妬むようなことも言われるようになった。テストが返却される時も「どうせさえが一位なんだろ」…実際のところ、大抵私が一位だったのだから返しようがない。謙遜しようが自慢しようが妬まれる。私はテストが嫌いになり、やがてテスト勉強しないでテストを受けるようになった。それでもワザと間違った答えを書いたり、白紙で提出したり出来なかったあたり真面目だったのだが…それだけ「手を抜いた」のに、私のテストの成績が2位になったのはたった一度。あとは全部一位だった。

当時の担任は私が中3の時「さえが本気でテストを受けるのを見てみたい」と言ったが、あの環境でそんなこと、とてもやる気になれなかった。
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