見えない恋。
「ただいま」

誰もいない家は、思いのほか静かでまだ慣れない。

私の家は、去年の春、私が中学2年生にあがったころに両親が離婚した。

私はお母さんについていった。

一人っ子だったから、どっちについていっても

どうせ親は働きに行ってしまうから、

どっちにしろ家に帰っても誰もいない状況になるのはわかっていた。


だから彼と付き合うことになって

初めて家に行って

初めてキスしたときは



心が満たされた。

幸せだった。



一人じゃなかったから

安心した。




< 4 / 44 >

この作品をシェア

pagetop