魔の宴 漆黒の舞台より
開幕

プロローグ


 目の前は暗闇

 右も左も何も分からない視界の中で、ただ身体だけはゆっくりと下に落ちていく感覚だけはあった。


 その中で彼は、虚ろな左目に闇の色を宿しながら、ジッと上の方を見つめていた。



 彼は知っている。


 これは自分の夢の中であり、

 このような状況にさせたのは『誰か』と言う事を。


 だから彼は、慌てもせず、ただ『誰か』が来るのを待っているのだ。


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