お姫様と1.5人の男
そんな玄一さんのちょっと苦い思い出のあるおみくじを引いてみる。

1回100円。まずはガラガラと振ってみる。出てきた数字は“三十七”。

その番号の書いてある引き出しを開けて1枚紙を取り出す。

書かれていたのは……中吉。大吉ではなかったけれど、これはこれで満足。

大吉って出て良い事がありすぎるのも困りものだしねえ……あたしだけかもしれないけどさ。


「玄一さんは?」

「むむっ! 良い事がありそうだのう……」


見せてもらうとそこに書かれていたのは大吉。良かったね。何度も引かないで済んで。

でも……大吉とは裏腹に今日は残念な事が起こる日。これは確実に避けられない。

あたしはまた自分のおみくじを見る。そこには待ち人は来るみたいな事が書いてある。

願えば来てくれるのかな?でも今は願わなくても大丈夫かもしれない。

おみくじを結びたい所だったけれど、凶以外は結ぶなって書いてあったから持ち帰り。
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