お姫様と1.5人の男
「お熱いねえ」

「まさか本当にデキてるなんてな」


違うと言っても、ただ黙っていても人はそれを信じないから嫌だ。

少し離れた場所にいる桜太君は面倒だから言いたくないってだけかもだけど。

何か一言声をかけたいけれど、傍に寄っただけで何言われるか分からない。

うーん…………今は別行動の方が良いのかな?

するとあたしが悩んでいるのを見て不安になったのか、今までいなかった玄一さんがやって来た。


『雪佳ちゃん。何を悩んでいるんだい?』


この人、反省していない。つまりは謝る気もさらさらにないと言う事。

全て玄一さんの所為なのになあ……溜息が出ちゃう。
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