ネオン
2時間目が終わり、
真紀とあたしは食堂でご飯を食べていた。
「マジ?ピンドンいれる客なんて、そうそういないから。
いいなあ。あたしもそういう客が居ればな・・・。」
真紀はパスタを食べながらため息をついた。
「まぐれだよ。これから頑張らなきゃ。」
「でもさぁ、なんで琴音、キャバやんの?」
あたしはさあ?といった表情をした。
よく考えてみたら、別に理由はない。
「確かに金はもらえるけどさ・・・その分辛いことも多いじゃん?」
「じゃさ、真紀はなんで、1年もこの仕事してるの?」
「真紀は、彼氏のため。」
真紀は目を少し輝かせている。
「そっか。ホストなんだっけ。」
「うん、真紀が支えてあげなきゃ、剛は生きて行けないから。」
「お店に通ってるの?」
「たまにね。でも剛は来ないでっていう。
彼女は店に呼びたくないって。」
「そう。」
真紀の話を聞きながら、あたしは昨日のタクシーを乗る前の出来事を思い出していた。
「ところで、琴音は彼氏つくらないの?」
「いまのところ。」
「なんで?」
「めんどくさいかな、そういうの。」
あたしは少し笑って答えた。
「理想が高いんだよ、琴音は。」
「違うよ、全然。一緒にいたい人が居れば、一緒にいたいよ。」
真紀は子供みたいにキャッキャッと騒いでいた。