ネオン
4
「琴音、本当綺麗になった。」
真紀はパスタを食べながら同じ事を何回も繰り返して言った。
「この仕事初めて、どんくらいだっけ?」
「ん、3ヶ月かな。もうすぐ。」
「女らしくなった。本当綺麗。真紀と全然違う・・・。」
「そんなことないよ。」
お客さんにメールの返事をしながら、あたしはそう答えた。
「今日も同伴なの?」
「うん、そう。店前だけどね。」
「そっかぁ・・・。」
この仕事を始めて、
もう3ヶ月が経とうとしていた。
自分で言うのもおかしな話かもしれないけど、
あたしは売れっ子キャバ嬢に成長した。
自分では感じないけど、
数字がそう教えてくれた。
佐伯さんのかけで、
あたしは入店1ヶ月にして他の女の子を売り上げを抜いていた。
佐伯さんだけじゃない。
他にも指名してくれるお客さんは簡単についた。
そのおかげで、あたしの携帯は鳴り止むことがない。
「大変そぅだね、琴音。」
「そんなことない。
たまに、たまに疲れるけど・・・。
自分に帰ってくるから。
自分の頑張りは、結果として、お金っていう形で、帰ってくるもん。」
真紀はパスタをもぐもぐさせながら黙っていた。