ネオン
「お姉さん達、今何してるの?」
芽衣ちゃんとあたしが足早に歌舞伎町を歩く中、
一人のホストが声をかけてきた。
「やかましいわ!」
芽衣ちゃんはホストに目線を合わせずにそういった。
「ちょっと、冷たいな!どこいくの?」
そのホストはしぶとく話しかけ来た。
芽衣ちゃんは立ち止まり、
「お前、どこのショボホスやねん。
うち、これからスパイラルの健二のとこいくねん。」
と、そのホストに言った。
「そ、そっか、じゃあしょうがないねー。ごめんねー。」
そのホストは苦笑いして去っていった。
そしてまた私達は歩き始めた。
「芽衣ちゃん、健二って人、すごいひとなの?」
「いいから、付いてきて。」
芽衣ちゃんは満面の笑みを見せた。
すると、前方で手を振りながらこっちに向かってくる人が居る。
黒い髪に、黒いスーツ。
スタイルが良くて、大きな目をした、
ホスト。
「芽衣!」
「健二ぃ~~。久しぶり~でもないかぁ!」
その健二という人は、芽衣ちゃんの頭をぽんぽんと撫でた。
「可愛いな、芽衣は。今日もありがとな。」
芽衣ちゃんは完全に恋する女の子の顔だ。