准教授 高野先生のこと
先生が始まりのキスをとても優しくしてくれたから。
私はもうちっとも怖くはなかった。
不安でどきどきより、期待でわくわくのがちょっと一歩リードしてるくらい。
先生と一緒だと不思議とどんなことでも楽しくなる。
きっと――
映画が思いがけずつまらなくても。
新作メニューがイマイチの味でも。
抜け道のほうがかえって渋滞していても。
ああいうラストはないよね、って。
定番メニューが一番だね、って。
急がばまわれだね、って。
どんなつまらないことも。
ひょっとしたら辛いことも。
笑いあって明るいほうへ導いていける。