准教授 高野先生のこと

先生の腕枕は最高に安心できて気持ちよくて。

あぁ、今夜はこのまますやすやと眠ってしまうのもいいかもしれない。

なんて、弱気な自分がしゃしゃり出てきた。

甘えるように、わざとむにゃむにゃ言ってみる。

「綿のように眠ってしまいたい……」

先生がどんな風にして、私を寝かせまいとするのかを見てみたい気がして。


「“綿のように”とは、ふわふわと夢心地になる喩えではありません」

「え?」

「全身の力が抜けて、ぐったりとするほど疲れた様子の喩えです」

先生はいかにもな先生口調でそう言った。


「勉強になりました」

「ちゃんと覚えておいてくださいね」

「はい」

こういう先生と生徒ごっこなやりとりがけっこう好きだ。

ま、本当に教員と学生なんだけど……。


「寝る頃には君も僕も本当に綿のようになっていたりしてね」

私は先生のパジャマをぎゅっと握って、きゅっと小さく背中をまるめた。



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