准教授 高野先生のこと

明らかに教員には見えない真中君。

見た目は学生相応なのに大きなお腹の秋ちゃん。

キャンパスを歩く私たち3人は確実に浮きまくっていた……。

「アッキー、臨月でこんなとこ来てていいのか?」

「うちよかここのほうが病院近いし」

秋ちゃんは腹を括ってどっしり構えている。

けれど、私と真中君は気が気でなかった。

もう心配で、心配で……。

まったく高野先生も秋ちゃんが来ることをよくやすやすと快諾したものだ。

「妊娠は病気じゃないからねーだ」

「めでたいかどうかの違いだけで状況的には似たようなもんだろ?」

私も真中君と同意見。

健診とはいえ定期的な受診が必要で、食事制限も含めた細かい体調管理がある。

それって経過観察中の病気の人と状況は変わらないんじゃない?

病気じゃなくたって何が起こるかわからないリスクは抱えているんだし。

「んなこと言ってちゃ何もできないっしょ」

「私、救急車呼んだことないよ?」

「ボクも」

「あんたらねぇ……まったくもう」

秋ちゃんは、げんなり呆れてふぅーっと大きなため息をついた。


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