准教授 高野先生のこと
歯磨きと化粧直しをして会場に戻った私を待っていたのは、高野先生と真中君と――
「あっ、シオリーン!田丸サン、もう来られてるよ」
細身で長身の高野先生と中肉中背の真中君の間にいる男性が、田丸先生???
3人のところへかけ寄ると高野先生が田丸先生に私のことを紹介してくれた。
「彼女、Y大のM1の鈴木さん。学部はF女で森岡のとこの学生さんだったんだよ」
「あのっ、はじめまして。鈴木です」
初対面のこういう挨拶がいつまでたっても苦手な私は、ちょっとあせあせ……。
「こちらはG学園大の田丸先生」
「高野に“先生”とか言われると気持ち悪いなぁ」
田丸先生はわざとらしく嫌そうな顔を作って苦笑した。
「こら、気持ち悪いとか言うなよ」
「はいはい、ボクが悪かった。すみま千円二千円、ついでにちょうだい三千円」
「田丸、おまえねぇ……」
「あっ、どうも、田丸でっす。高野と森岡とは同期でね、いつもこんな感じなんだ」
私と真中君はすごーく微妙に曖昧に笑った。
「それはなんというか……」
「仲良し、ですね……」
「うん。3人で少年隊だって歌えるんだ」
豪快に笑う田丸先生を横目に、高野先生はげんなりと大きなため息をついた。