准教授 高野先生のこと
田丸先生が斜め上をちょっと見上げるようにして、昔を懐かしむような顔をした。
「森岡のモテかたとはまた別の感じでモテてたんだなぁ、これが」
「別の感じ、ですか……?」
「森岡はいかにもモテモテって感じだろ?
ファンの女の子がいっぱいいてさ、キャーキャー言われてたっけ。
高野はさ一部にこう……根強いっていうか地味に一途に慕う子たちがいたんだよね。
あいつは森岡みたいに皆に愛想よくできるタイプじゃないし。
だけど実はけっこう面倒見がよかったり、見た目だって悪くないからねぇ。
森岡みたいなジャニ顔じゃないけど、端正な顔立ちの文学青年?みたいなさ。
ほーんとボクは二人が羨ましくて泣けてきたもんだったよ、あの頃は」
学生時代は一部の人たちから熱烈に?モテていたという高野先生。
今は学生にさっぱりモテない高野先生。
……いや、今でも一部の学生にはモテている?
そう、私みたいに一途に先生を慕う学生が秘かにいたっておかしくない。