Cold Phantom [前編]
※※
5年前…
最初に見えたのは真っ白な清潔さを感じる天井。
そして見知らぬ女性。
私が目を開けると同時にその女性は驚き、部屋を飛び出した。
「先生!長池先生!例の患者が目覚めました。」
後にそんな声が響いた。
例の患者…
どう考えても私の事を言っているのだろう。
でも何で『例の患者』なんだろうか。
名前で呼んでも良いものなのに…
「……あれ?」
私は名前の事を考えていると、ふと最も肝心な事を失っている事に気がついた。
「名前…あれ?名前が思い出せない。」
「名前が思い出せない?」
「はい…」
先生が訪ねてきた事に素直に返事をした。
よく考えると思い出せないのは名前だけじゃない。
年齢も生年月日も、いや親の名前も顔ですら思い出せない状態だった事に気付いた。
私はその事を先生…長池先生に伝えた。
私の言葉に先生は少し考えこみ、しばらくして…
「コールドファントム…」
「え、何ですかそれ?」
小さい声だったが私には聞こえた。
聞いたところで聞き覚えの無い単語だったけど…。
5年前…
最初に見えたのは真っ白な清潔さを感じる天井。
そして見知らぬ女性。
私が目を開けると同時にその女性は驚き、部屋を飛び出した。
「先生!長池先生!例の患者が目覚めました。」
後にそんな声が響いた。
例の患者…
どう考えても私の事を言っているのだろう。
でも何で『例の患者』なんだろうか。
名前で呼んでも良いものなのに…
「……あれ?」
私は名前の事を考えていると、ふと最も肝心な事を失っている事に気がついた。
「名前…あれ?名前が思い出せない。」
「名前が思い出せない?」
「はい…」
先生が訪ねてきた事に素直に返事をした。
よく考えると思い出せないのは名前だけじゃない。
年齢も生年月日も、いや親の名前も顔ですら思い出せない状態だった事に気付いた。
私はその事を先生…長池先生に伝えた。
私の言葉に先生は少し考えこみ、しばらくして…
「コールドファントム…」
「え、何ですかそれ?」
小さい声だったが私には聞こえた。
聞いたところで聞き覚えの無い単語だったけど…。