朱鷺
んだ、そこは。袋ってなんでその上とこんなに感じ方が違うんだろう、のばしてていねいに舐めるなってば、あ、上下させたら、上下させたら。
 おいで、薫の股間を自分の顔の方へ向けようとした。薫は荒い息で、舐めるのはいいから、入れて、と言った。じゃあ、ちょっと待てと、朱鷺が必要な物をとろうと身体を動かすと、大丈夫、つけてあげる、と薫がまた朱鷺のをゆっくり口に入れた。あれ?この感触はと朱鷺が手を伸ばした、必要な物がつけられていた。口に含んで、入れながら装着したのか?コイツ、どこでこんな技を習ったんだ?薫は朱鷺を舐めながら、自分を濡らしていたのか、早々に朱鷺に乗ってきた。ああああ、とのけぞる薫の首が白い。この声が好きだ。ああ、いいの、朱鷺君、朱鷺君、鳴く薫の腰に手を添え、ひきつけながら、上下させ、突く、前も撫でてやる、朱鷺君、気持ちいい、気持ちいいの。朱鷺は薫の唇が欲しくなった。あ、いや、という薫を離して、朱鷺が上になる。足をかかえるようにして、進みながら身体を倒して薫の唇を吸う。朱鷺君、いいの、いいの、うわごとのように繰り返す、朱鷺は必死でがまんしながら、深く深く突きながら、薫の唇に言った、薫、愛しているよ・・・・・・・・

 身体はこんなに気持ちいいのに、なんで満たされないんだろう・・・・・


 朱鷺達の生活は決して楽ではなかった。薫がろくにお金を入れないからだ。わかってはいたけれど、完全に朱鷺だけの給料でまかなおうとすると、カツカツだ。生活って、好きだけじゃできないのだと、朱鷺は思いしらされた。朱鷺は自分の物なんか、煙草ぐらいしか買えない、それもけちけち吸っている。ゆとりのない生活は、気持ちも暗くしていく。

 
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