恋の神サマ!
うぅ、私が何度彼の髪を拝借したことか。
彼が帰ったあとや体育の間に、彼の持ち物から髪を取る。
10回を越すころには自分が変態にしか思えなくなった。
私がそんなことをしているのをなるべく悟られないよう、極力彼自身には近づかないようにしていたため、こんなに近くで見るのは初めてだ。
やべー。
かっこいい。
無造作に流れる黒髪。
艶やかな私の黒髪とは違い、さらさらだ。
切れ長な目。
ちょっと朔の目に似ている。
見つめられるとそらせない。
目の下の泣きボクロも彼の魅力を増長している。
形の整った鼻と口に、長い手足。
近くで見ても、彼の容姿は完璧だった。