パセリな彼女がついた嘘
「あ、そうそう、
ちょっと買い物したいんだけど付き合ってくれる?」

美術館を出て食事をするレストランを探していると、
雪乃が僕の手を引き、
ショッピングモールのアクセサリーショップに入った。

「先輩が来月誕生日でね、
みんなでプレゼントをしようと思って」

そう言って、月ごとの誕生石が並べられた、
ブレスレットのあるウィンドウを眺めていた。

「あった、これ見せてください」

僕が黙って後ろから覗き込むと、
店員がブルーの石が並べられたブレスレットを手に取って言った。

「ターコイズでお探しですか?」

「いえ、12月の誕生石で探してるんですけど」

雪乃が語尾を小さくそう言い、他のものに目を向ける。
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