パセリな彼女がついた嘘
須藤は恋人がいる時、
それを相手にも公言して関係を持つ。

けれどその【惚れたもの負け】と言う
女の子の立場を惚れられた側が乱用するスタンスは、
僕のどこに示したかは定かでない恋愛マニフェストに反する。


一般教育科目だった【生命倫理】の授業中、

「そのほうが誰も傷つかないでしょ」

と僕が言うと須藤は、

「あーホスピス医療みたいな感じね、けどお前、
インフォームドコンセントって言葉知ってる?」

と茶化した。

その声が大きかったのか教授はマイクで僕たちに、
『質問ですか』と言い、二人で笑ったのを覚えている。
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