パセリな彼女がついた嘘
「男の人は別れた後も、
その道をまっすぐ歩いていくって言うじゃない?」

彼女の言葉に、僕は黙ってコーヒーを飲んだ。

「でも女は角を曲がるの、だから振り返っても過去は見えないけど、
男は振り返るとその道のずーっと前に、いつでも過去を見ることができるって」

更に続けた彼女の知恵に敬意を表して言った。

「キミは、雑学王なんだね」

僕の言葉に微笑んでから、ハーブティを飲む。


僕はメイクの濃い女性がけっこう好きだったけれど、
下を向いた彼女の睫毛は、それに反して裸で、
とても長く、自然に揺れていた。
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