パセリな彼女がついた嘘
雨のち、くしゃみ
トラブル続きで昼食もろくにとれず打ち合わせが続く中、
くしゃみがしきりに続いた。

定時間近になって自分のデスクに戻る頃には、
昼間から感じていたそれらの違和感が、確信に変わっていた。

体の節々が痛んで悪寒がし、頭が重たかった。

それでもメール返信だけはして帰ろうと席に着くと、

「残業ですか?」

と声を掛けられた。竹内さんだ。

「うん、でも体調が悪いみたいだから、早めに帰るよ」

と答えてPCに向かう。

「雨のデートはこたえますね」

と小声で言い、笑って彼女はオフィスの外へ向かった。

一人、小さく笑ってメールボックスを開くと予想以上に案件が多く、
時計を見てため息をつき、ケータイを開いた。


不在は、ない。
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