ギア・ドール
「くそっ!」
心から出た、言葉にならない毒づき。
いったい、いつまでこんな悲劇が繰り返されるのだろうか・・・。
「鈴蘭・・・一体、いつまでこんなことが繰り返されるんだろうね?戦争さえなければ、アナタも・・・きっと・・・。」
それはきっと、途方もない願い。
戦争は実際に起こり、鈴蘭は一度死んだ。
ここにあるのは、鈴蘭の意識・・・ただそれだけ・・・。
もう、彼には触れることも、声を聞くこともできない・・・。
「戦争なんて、この世界からなくなればいいのに・・・。」
それは、この世界で残された全ての人の願い。
思想、権威、名声、金・・・それらは、本当に命よりも価値があるものなのか・・・。
私には、分からない・・・・・・・・・・・・。