西の狼



「………なるほど……自警団の団長である貴方ならば、民は喜んで迎えるでしょうねぇ…確かに、それが最善かも知れませんねぇ……」




「ま、待ってくれ!私は、別に領主になるつもりなんか無い!」




「では、貴方はこの街を見捨てるのですか?」




「な……ッ!?」



「つまりは、そういうことですよ………この街を見捨てて好きに生きるか……この街を守って生きて行くか……」



「………私は………」



「幸い、この街は自治権が認められた街ですから、放っておいても住民自ら街を治めるのでしょうが……それまでこの街が無事でいられる保障はありませんからねえ……」




思い悩むレオールに、ジブリールが更に追い討ちをかけた。



それで、レオールは決意した。




「…………分かった………今は領主のことは住民には伏せてある。領主は館の崩落に巻き込まれて部下共々亡くなられたということにしておこう」




「それが良いだろうな。その後を継ぐのがお前なら、誰も文句は言わないだろう」



「領主に、跡継ぎはいなかったんスか?」



「あぁ……領主は子供を作る気は無かった。恐らく、自分が不老不死になることを疑っていなかったんだろう」

「まぁ、あの領主ならそうだろうな。それで、いつ発表するんだ?」



「……今は、まだ祭りもある。それに、館の崩落のことにショックを受けた民も多い。暫くしてから、発表しようかと思っている」



「それが妥当だな。俺達も、少しの間はここに滞在して体を休めるつもりだ。ジブリールはどうするんだ?」



「私も、暫くはここで体を休めますよ。少し魔力を使い過ぎましたからねぇ……さすがに私も、今の状態で帰る訳には行きません」



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