西の狼
四人が馬を走らせてから、三時間程経った頃、先頭を走っていたジブリールが突然馬を止めた。
「着きましたよ。ここが、ユーミル山脈です。魔界の東のアイアス平原と、魔王様の居城のあるガラハッド平野を隔てる大山脈です」
ジブリールが見上げるのは、見渡す限りの山々だ。
山頂は雲で覆われ、一面緑が生い茂っている。
「これが、ユーミル山脈…………」
「………大きい…ですねぇ………」
「……スゴイッスねぇ………」
三人が惚けていると、ジブリールが馬を降りて歩き出した。
「お……おい、ジブリール…」
「ここから先は歩いて行きましょう。木が多くて馬では進み辛いので」
「馬はどうするんスか?」
「勝手に街に戻るそうですよ。さぁ、行きましょう」
四人は馬を降りて山道を歩いて行った。
イレールが途中で振り返ったが、馬は確かに来た道を戻って行った。
「………なぁ、ジブリール…」
「何でしょう、レオンさん?」
四人は山道を少し進んでから、脇の木陰で野宿することにした。
疲れたのか、イレールとロジャーはすぐに眠ってしまったが、レオンとジブリールはまだ見張りも兼ねて起きていた。
「ワルキュリアは、この山にいるんだろう?」
「えぇ。伝承にはそう記されていますねぇ」
「山のどこに住んでるんだ?」
「さぁ?」
「……………は………………?」