西の狼
「……レオンさん……何か来ますねぇ……」
「何!?」
それを聞いたレオンがアグニを抜くより早く、木々から鎧を纏った女性達が四人を取り囲む様に降って来た。
一人だけ、装飾の違う女性が剣を抜いて四人に向けた。
「全員動くな!!動けば命の保障はしない!」
その言葉と同時に他の女性も剣を構えた。
「……七人か……」
「上にもいますよ……」
ジブリールに言われて見てみると、確かに木の上から何人かが弓矢でレオン達を狙っていた。
「……これじゃあ、迂闊に動けないッスよ……」
四人は固まっていたが、誰も武器を抜けなかった。
「お前達、どうやって結界を破ったのかは知らないが、この郷に侵入した罪は重い……その罪、この場で裁くッ!!」
女騎士が号令を下すと、他の騎士達がレオン達に切り掛かった。
「クソッ……!?」
レオンがアグニを抜こうと構えた、その時……
どこからか、四体の魔獣が現われた。
一体は白銀の狼
一体は漆黒のユニコーン
一体は深紅のドラゴン
そしてもう一体は、黄金の毛並みのグリフォンだ。
「これは、まさか……ッ!?」
女騎士がうろたえていると、その後ろから何者かがやって来た。
「待て、フォルカス。彼等を無闇に罰することは許されない……」
「ッ、グレン公……」
女騎士が言った名前にジブリールは眉をひそめた。
「……グレン公……?まさか、十騎士のお一人の……」
その声に気付いてか、グレンがジブリールに目を向けた。