西の狼


「ご苦労だったな、戻って良いぞ」


グレンがそう言って手をかざすと、四体の魔獣は光となって、グレンの右手に吸い込まれて消えた。



「この奥に長老殿がいらっしゃる」



グレンの後に続いて洞窟に入ると、壁や天井にうっすらと発光する青い石が大量に埋まっているのが一目で分かった。




「これは……魔法鉱石か……?」



「その様ですねぇ…どうやらここは魔法鉱石の鉱脈の様ですねぇ……しかもかなり巨大な…これだけあれば、魔導具がどれだけ作れるのか………」



そんな話をしながら進んでいると、それまでの狭い道から一転して広い空間に出た。



その中央では、小さな焚き火に薪をくべる小さな人影があった。




人影はグレンを見つけると声をかけて来た。


「おぉ、戻られたかグレン公……ム?そこにいるのは………」


その声はしわがれた老婆の様な声だった。


「あぁ、彼等が結界を破った様だ。少し興味があってな。連れて来た」



「………フム………?」


老婆は品定めする様にレオン達を見ている。

ローブの下から覗くその目は、鋭い眼光をたたえている。


「………貴方が、ワルキュリアの一族の長老か?」



「ム?あぁ、そうじゃが……そちらから訪ねて来るとはな、約束の皇子殿……」


「……知っているのか、俺を……」



「魔王からな、聞いておる……さて、一体何用で参られた?ここには、貴殿の欲する物はなにも……」



「ここにいるのは、ワルキュリアの一人だ」


レオンはそう言ってイレールを前に出した。

「え……レオンさん……?」



「……はて、我々は郷の外には滅多に出ないはずなんじゃが……その娘は真に我々の同胞だと?」



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