西の狼
「かつての盟友の技に討たれる気分はどうだ、英雄王?」
「……懐かしいよ…本当に、懐かしい………」
「……そうか……ならば、盟友の技にかかって討たれるがいいッ!!」
ダリウスの号令に従い、死霊達はグレンに視線を定めて、手にした剣を振りかぶって躍りかかった。
「いきなり、四対一か……ッ!」
グレンは両手の魔剣で死霊達の剣を打ち払い、防ぎ、逸している。
だが、何回目かの時に遂に両手の魔剣を弾き飛ばされてしまった。
「しま……ッ!?」
魔剣を飛ばされて隙が出来たグレンにすかさず残り二体の死霊が切り掛かった。
「クソッ……!!」
グレンは思いっきり地面を蹴って後ろに跳躍した。
死霊達の剣は、虚しくもさっきグレンがいた地面に突き刺さるだけだった。
「驚いたな……これ程とは……」
「驚くのは……」
「ッ!?」
その声で振り返ったグレンは視界に月夜魅を頭上高く振り上げたダリウスが映った。
「まだ早いッ!」
ダリウスは月夜魅に魔力を纏わせて、それを思いっきりグレンに叩き込んだ。
「ぐ、お………ッ!?」
「ハアァァッ!」
ダリウスはグレンを魔力共々吹き飛ばした。
吹き飛ばされたグレンは遠くまで木をなぎ倒しながら進んで、岩肌にぶつかって土煙をあげた。
その威力は、岩肌が大きく陥没する程だった。
