5年先のラブストーリー-この世のしるし-
「本当に神様はいるんだろうね。
恵子の命は短くとも、真(まこと)の愛を見つけられた。
恵子は人間が生まれたが為に知る・得る大事なものを人生で全う出来た幸せ者です。
直樹君、本当にありがとう。
こんな私が言えた柄ではないが、今一度恵子の夢を叶えてはくれないか。
そして直子の為、いや君の力を必要とする人の為に立ち上がってはくれないか」
「お父さん」
直樹に衝撃が走った。
今正しく健三から恵子の思いを受けた直樹は原点を見つけていた。
そして工藤直樹が未来へ残そうとしているもの。
それが、
『この世のしるし』
夢そのものだった。