5年先のラブストーリー-この世のしるし-


「直樹君、今まで本当にすまなかった」



「お父……」



「いいんだよ。私の方が君にお父さんと呼ばれる立場じゃなかったんだ」



「お父さん」



「今まで恵子の事を本当にありがとう」



直樹は三人で暮らしていた長屋へと案内した。



「うんうんそうかそうか恵子はここで大事な家族に囲まれて、幸せに暮らしていたんだな。そうかそうか」



健三はその一つ一つを噛み締めた。
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