高飛車女と副会長
本当なら家全部ぶっ壊してやりたい所だが、そんな事したら母親は卒倒してしまうだろう。

母親はとてもデリケートな精神をしていた。

部活だって、幾ら金持ちが通う学校と言っても部活位ある。やりたいという意志を伝えたら、あっさり却下されたんだ。

部活なんて危険よ。あんたの綺麗な顔に傷でもついたらどうするの。絶対だめよ。
はい、終わり。ジ・エンド

部活なんだから、ケガ位するっつーの。

「シャンデリア位いいと思うをだけど。」

そういってニッと笑う。
中野は天井を見上げた後、左手に持っていたぞうきんを思いっきりなげてきた。
コントロールは抜群で見事俺の顔面にヒット。
ぞうきん特有の嫌な匂いが鼻をつく。

「バカかっ!!俺を退職させる気かボケっ。自分で壊せ、こんなもん。ったく。」

やれやれと言ったように、首を振り掃除を再開する中野。

…自分で壊せ、か。

俺は天井の一点を見つめたままだった。

「かごの中の鳥は、自分で出口を造るしか外に出る手段はないんだよ。」

不意に中野がそういった。
かごの中の鳥。つまり俺か…。
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