怪盗ブログ


少し熱い乳白色のお湯に体を沈めた。


空を見上げると、雲があるのか月も星も見えなかった。
けれど真っ暗で雲も確認できない。

晴れてたらもっと気持ち良かったのに。


黒い空を眺めながら十星が言ったことを思い出した。


十星の目的が気にならないわけじゃない。


すっきりしないことばかりで、教えてくれると言うなら是非そうしてもらいたい。

でも『あいつと関わるのはやめろ』という大貴の言葉。

その言葉が躊躇させる。


大貴の言葉に逆らってまで知ろうとする価値があるのかな。


「……あなたを守りたい、か」


エンゼルランプの花言葉。

あたしを何から守ろうっていうの。

こんな怪我までさせておいて。


右手をちらり見た。


もうだいぶ良くなった。

おじいちゃんの診立てでは、遅くても1か月後には復帰できる。


怪我を治すことを優先して準備を大貴に任せきりにしていたけれど、そろそろあたしも把握していかないと。


十星のことは急ぐ必要はない。

放っておいてもどうせまた向こうから近付いてくる。

向こうから来てくれた方が、あたしとしても大貴に対する罪悪感が少なくていい。


……なんてずるいかな。
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