怪盗ブログ
お風呂から出て貸してもらった浴衣を着る。
廊下に立つと、不安になった。
「辿り着けるかなー……」
迷っているところを見られたくないので、気配を極力消して歩きだした。
この家がどういう構造になっているのかまでは教えて貰えなかったけれど、大貴が言うには、この家で暮らしている人間でなければ「迷わない方がおかしい」らしい。
つまり、この家に盗みに入るのはそれだけ難しいことなのだ。
何も盗みもせず、ただあたしに話があっただけならこの家を仕事場に選ぶ必要はない。
警察による警備がないにしても、同業者による警備は警察よりも面倒なものだろう。
それなのに十星はわざわざこの家を選んだ。
わからない。
この会沢家でなければならなかった理由。