レンタるな恋人

レッスン2

髪型はまずますの好感触だな

放課後、図書室の書庫で時間を潰す

琉菜の待ち合わせまで時間がある


書庫は静かだし、滅多に人が来ないから過ごしやすい

勉強もしやすい

滅多に人がこないから、姉貴からの電話がかかってきても
出やすいという利点もある

利点か?

ま、いいや


『なあ、どうしたんだよ』

俺の自由な時間を潰す低い声が聞こえてきた

俺は本と本の隙間から、声のしたほうを眺めた

男の背中が見えた


飯田だ
見たくねー背中だ

姉貴の得意技、飛び膝蹴りでもいれてー気分

俺は気配を消すと、聞き耳をたてた


『べつに』

女の声は琉菜だった

『すげー、イメチェンじゃん
もしかして俺のため?
マジ、可愛いよ
今夜、時間ある?
ホテル行こうよ』

いかねーよ!

…てか下品な誘い方だな
もろ下心丸出し

俺、琉菜の体が目当てですってアピールし過ぎなんだよ

『今日はちょっと…』

『何?
俺より大事な用があんの?』

あんだよ
あんたより大事な用が!

あんたより大事じゃない用を探す方が難しいっつうの

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