紅い記憶
「桜!思い出したのか?本当にこいつはお前の兄貴なのか?」


 稔は桜を守るようにして抱く。



「思い出したのか…って?もしかして、桜、記憶が…?」





 動揺を隠しきれない和樹。





「そうだ。桜は過去によほどの事があったみたいで、幼い頃の記憶が無い。あんた、桜が記憶喪失だってことすら知らなかったのか?」




「…あぁ。」

「じゃぁ、桜が中1までどこにいたのかも知らないのか?」




 稔の手を、桜はぎゅっと握りしめている。



 稔には、桜の気持ちが痛いほど伝わった。

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