運命

いじめ

志帆が憂と自分の関係に気づいてるとも知らず美優は学校に登校した。
玄関で靴を履き替えているとふいに声を掛けられた。
『おはよ〜!美優!』
なんと声を掛けてきたのは憂だった!
『お、おはよ‥。』ギクシャクした会話。
『あの返事は出来た?』『こんなとこで聞かないでよ!昼休み屋上で話す。』
『わかった!じゃ昼休みな!』そう言って憂はせっせと教室に向かった。そうは言ったものの本当は返事なんて出来ていなかった。
『うちのばか‥。』そう呟いた。
今日に限って時間が進むのが早い。
もう昼休みになった。
気乗りがしない足を踏ん張らせて階段を登った。屋上に着くと憂はもう着いていた。
『ごめん!待った?』
『いや、今来たとこ!で、返事を聞かせてくれ!!』
『‥うん!!‥‥私も憂のこと好き!』
『じゃ付き合ってくれるのか?』
『いいよ!!』
『やったー!これで部活に行ける!本当は俺、おまえに振られるのが怖くて部活に行けなかったんだ!』
『実は‥私も正直どう返事をしようか困って憂と会いたくない気持ちで部活に行ってなかったんだ!』
『そうだったのか‥。すまん!!困らすようなことして‥。』
『別にいいの!ぅちも憂のこと好きだったんだから!』
笑顔で話している裏腹に志帆がそれを聞いていたことを今は知る由もなかった。

知ったのは返事をして数日たったある日のことだった。
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