運命
ある日学校に着くとがやがやしていた。
教室に入ろうと扉を開けた瞬間みんなが一斉に振り向き私を見てきた。
『え?な、何?』
わからず席に着こうとした時その理由がわかった。
黒板に城崎憂と折原美優は付き合っていると書かれてあった。
私は、訳がわからなかった。
まさかあの返事を誰かに聞かれたの‥?と不安に陥り涙を隠しながら急いで屋上に向かった。
後ろで志帆がにやけたことを知らず。
そしてまた何も知らない憂が登校して教室に着くなり和樹が憂をトイレまで引き込んだ。
『な、何すんだよ和樹!』
『しっ!黙ってろ!!いいか‥今から俺が言う質問に答えてくれ!』
『何だよ!!』
『おまえ‥美優に告ったのか?』
『あ?ああ‥告った!返事も昨日貰った!正式に恋人になった!』
『やっぱり‥。あのことは本当だったのか‥。』『あのことって何だょ!』
『怒らないで聞いてくれ。実は、おまえが来る前に美優達のクラスの黒板に誰が書いたか知らねーけどおまえと美優が付き合ってると書いてあった‥。』
『‥ちょ、まじか!?冗談とか?』
『まじだ!』
『み、美優は知ってんのか?』
『ああ!知ってる!だけど突然どっか行った!』『くそ!誰がそんなことを‥!』
『おまえ、誰かに言った覚えあるのか?』
『ねーよ!!ってか美優に連絡しなきゃ!』
『そうしとけ!』
と憂が連絡し始めた。
その頃美優は屋上で泣いていた。
誰があんなことを書いたのかわからない。
戻りたくない。でも戻らなければ親に心配される。そう思って腰を上げた時着信音が鳴った。
心臓がドキっとなった。そして着信画面を見ると憂からだった。
私は、思わず切ってしまった。
チャイムが聞こえ重たい足取りと不安で教室に向かった。
電話をかけた憂だったが切られてしまったので仕方なく教室へと帰った。教室に着くとみんなの空気が張り詰めた。
私は何もなかったように自分の席へ着いた。
するとすぐに先生はやって来て授業を始めた。
休み時間になるとみんなが朝の出来事を忘れたかのようにわいわい騒いでいた。
すると志帆がやって来て『大変やったね!!大丈夫?』と言った。
『大丈夫。心配かけたね!!』としか言えなかった。志帆は、何故憂と付き合うようになったかと尋ねないで優しく接してくれた。
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