契約の恋愛
「あ、ねぇ。」

「ん?」

メロンパンの封を小さくたたみながら、雪葉に視線を移す。
心配そうな雪葉の表情が目の前に飛び込んできた。

「…最近、亮也君見た?」

ピンクのリップをぬった唇が微かに震える。

何かに怯えているような表情。

「……亮也?」

急な質問に、戸惑う。
雪葉はコクりとうなづき周りに誰も人がいないのを確認してから、璃雨の方に顔を近づけた。

雪葉特有のキツい香水の香りが漂う。

「最近、学校来てないみたいだから。あと…陸飛君も。」

私はここ最近の日常を振り返る。
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