契約の恋愛
やりきれない。

改めて自分が無力なんだと思い知らされる。

もし、亮也や陸飛、雪葉に何もかもから逃げようとするバカで臆病女となじられても文句は言えないだろう。
璃雨はとんでもなく不器用。

"あの人"のようにはできない。
誰の心の中でも、風のように入りこんでしまう"あの人"には。

別に誰かを救いたいわけじゃない。

自分の足元も充分につくれていないのに。

ただ、亮也は璃雨と同じ境遇にいる唯一の人。

この人を救うことができたら、璃雨も何かが変わるかもしれないと思う。

本当に今更何を言っているんだ。
立派な自殺願望者が。
< 132 / 236 >

この作品をシェア

pagetop