契約の恋愛
心に問うても、もちろん返ってこない答え。

いや。

気付きかけていた。

気付きかけていたから、見ぬフリをした。

そんな事、絶対あってはいけないと。

璃雨は、おもむろに立ち上がりベッドへ入りこんだ。
とても寝れる状態ではないが、無理やり瞳を閉じた。
作られた暗闇の中で、心に決める。

近い内に、璃雨は死のうと。
早くて一週間。

遅くて二週間。

焦っていたわけではないけれど、このまま生きていたらもっと苦しい事が待っていそうで。

璃雨の逃げ場はもう、死ぬ事しかなかった。
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