契約の恋愛
…高校生?

母がやらしい声で、その男を誘っている。

「ねぇ…いいでしょう?もう私、なにもかもどうでもよくなったの。」

やらしい手つきで男の体を触る母の姿は、今まで璃雨が見てきた母の優しい姿ではなかった。

男はつったったまま、微動だにしない。

「…ねえ。」

「…そんな事を言いに俺を呼んだんなら、帰ります。」
冷たい声が、部屋に響く。
どうやら母は、男につきはなされたらしい。

「何よ、それ。」

「俺は、あなたの心を埋める為の道具じゃありません。俺は、あなたが頑張るならその力になりたいと思ってここに来たんです。」

男の顔は見えないが、白い肌はうっすらと見える。

母はつきはなされてもめげずに、今度ははだけた服を全て脱ぎ、男を誘惑することに撤した。

そこには最早、璃雨が愛した母はおらず、寂しさのあまり他の男に身をこがそうとする一人の女がいた。

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